2022年10月30日(日曜日) 13,327
【特別寄稿】
今日の多摩川中流域。今日は午後からすごい鳥が出ました。
オオミズナギドリ! Streaked Shearwater。
私が見たわけではないのですが、常連さんのY氏が一人で目撃・撮影されました。
ところが種名を確認したいということで、即、私にメールで写真が送られてきたのでした。
目撃談によると、Y氏がミサゴのダイビング撮影の為、多摩水道橋の東京側(左岸)で待機されていたところ、午後2時ごろ、スリオンテック前の河川敷方面からいきなり大きな鳥が現れ、中野島住宅方面へ飛びました。Y氏は猛禽類かと思いカメラをむけたところ、その鳥は右旋回し、うまい具合にY氏のいる方向へ向かって飛んで来ました。すかさず撮影!
その頃、私は別の場所でホオアカの写真が撮れ、一人で喜んでいましたが、届いたメールの写真を見てびっくり仰天しました。特徴のある「管鼻類」の嘴、白い顔、白い翼下面とお腹。特徴のある後頭部のもじゃもじゃ。翼後縁の黒い縁取り。スマートに細くなる尾羽。
オオミズナギドリ!と直感しました。北海道で海鳥ガイドをやっていた自分にとりましては、一番見慣れたミズナギドリ科の鳥です。
念のため、親しい鳥の友達にも見てもらいましたが、間違いなしとの意見。
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マンションや緑をバックに飛ぶオオミズナギドリ。あり得ない光景です。
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オオミズナギドリは、周年日本近海で見られ個体数も多いお馴染みの海鳥です。全国の島しょ部で繁殖しています。私の出身地である京都府の「府の鳥」でもあります。
ミズナギドリとは「水をなぐ鳥」の意味で、関東では太平洋にいます。風の強い日が大好きで、盛んに超低空飛行を繰り返し、翼を左右に振りながら、交互に片側の翼で波を「薙ぐ」様に飛びます。その姿が格好良くてこたえられない。
多摩川は東京湾に注いでいますね。オオミズナギドリは東京湾には入りませんので、河口から来たとは考えにくい。やはり、湘南海岸方面から、何らかの理由で登戸という内陸部まで迷いこんできたと推定されます。☛文末を参照。
先日のマガンといい、今年はBIGな迷鳥が毎週のように出ていますね。
まさに「多摩川、おそるべし!」ですね。
*写真の提供やブログ掲載に快く同意して下さったY氏に対し、心からの謝意と敬意を払わせていただきたいと思います。Yさん、一瞬のチャンスを逃されなかったところが、本当にすごいと思います。おめでとうございます!
*本件は発見の経緯に要記録性が高いと判断し、あえて本ブログの慣例を破り、特別に場所を明示させていただきました。
*本件、書き込みをご覧になった読者から、早速、関連する情報提供がありました。
(1)さらに上流で同じ個体と思われる鳥を撮影している若者がいたそうです。
(2)先週、浦安市日の出海岸に50羽のオオミズナギドリが入ったそうです。東京湾にも入ってくることを知りました。その中の1羽が今日河口から遡って来たのかもしれませんね。